だらしな書店





「ファッションファッショ」
(山田詠美・ピーコ著 講談社 \1400)
タイトルどおり、いまどきの皆さんのファッションに爆弾落とします! という二人の対談集。いやぁ笑った! ファッションのファの字もない私が笑ってる場合ではないのは明白だけど、対談集ってやっぱり本音がバンバン飛び出すものが断然面白い。パーティにバーキン持って来るな! というのに激しく頷いていたら、「素敵な人はパーティで絶対モノは食べない」と書かれていて、頷いていた頭を深く垂れる。確かになー。
<ミュールの足音はバカバカバカって聞こえる、というのにも爆笑。いやミュール持ってない、履いたことすらない、履けるものがあるとも思えない私が言うのも何ですが>
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「猫殺しマギー」
(千木良悠子著 産業編集センター \1300)
三浦しをんや滝本竜彦を輩出したBoiled Eggs期待の新人の初単行本。「俺の名前は猫殺しマギー。でも、猫は殺さない」。物語の1行目というものは、やはりとんでもなく気になるものだけれど、この掴み、巧い、と思う。どんな物語なのか、ということを説明するのはとても野暮で、いやみんな、感じてくれよ、と言われている気がして、評する側泣かせな感じ。個人的には3話収録されているうちの「アカシック・レコードに乗せられて」が好みかな。も少し降りてきてくれないかなー、とちょっと思うけど。
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オススメ!「本格的 死人と狂人たち」
(鳥飼否宇著 原書房 \1800)
興奮すればするほど頭脳が明晰になる、大学院数理学研究科の助教授増田。そんな彼のフィールドワークはずばりメ覗きモ。しかしある日、その最中、殺人事件が発生し!? というフリなのだけれど、いやぁ登場人物、みんな強烈っす! 鳥飼否宇はこういう「一般から見ればちょっと変、だけど本人はそんなつもりなし」なキャラクターを描くのが巧く、だからいつも夢中になってしまう。「昆虫探偵」(世界文化社¥1400)も合わせてぜひ一読を。
<収録されているのは3話+オマケ。読者への挑戦状(笑)。個人的にはこの最初の「変態」もさることながら、2番目に収録されている「擬態」も好み。大学の新人講師がレジュメに模して殺人事件の告発をする、という仕掛け。小説とは関係ないけど(イヤあるともいえる)「ほぼ日」でまた新しい連載初めてたんですね。今気付いた! ヒウおじさんの鳥獣戯話http://www.1101.com/torikai/
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オススメ!「ロボコン」
(古厩智之原案、大崎知仁著 小学館 \1200)
公開中の映画を大崎知仁が小説化したいわゆるノベライズ。しかしながら、素人がビデオと脚本見ながら書いたノベライズと異なり(いやそれは数年前の私のこと。ノベライズ、結構書かせて頂きました)、ちゃんと小説として読むに値するものに仕上がっていて面白かった。ロボコンとは言わずと知れたロボットコンテストのことで、理系青少年たちの甲子園。高校野球のような華やかさ(いやあれを華やかと言い切って良いのかは疑問が残るが)はないものの、地味ながらも青春しちゃってる感じが微笑ましくて素敵。
<これ、本当になかなか良く書けていて、普通に面白くて好き。ノベライズって、昔は岩井志麻子や桐野夏生や重松清もよく書いてたし、今も乙一が書いたりしてて、ほんとモノによってピンきり。個人的にはノベライズは絵を見ていない人に絵を感じさせられるかどうかが分かれ目な気がするけど、これはその点満足できるはず>
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「親指さがし」
(山田悠介著 幻冬舎 \1100)
ご存知でしょうか山田悠介。知らん、という人もタイトルぐらいは聞いたことがあるでしょう「リアル鬼ごっこ」の著者である。文芸社から自費出版に近い形で出した「リアル〜」がネットから火がつき、続く「@ベイビーメール」もスマッシュヒット。本書は文芸社以外の出版社から出た初の単行本になる。そんなわけで、期待して読んだのだけれど「親指さがし」っていうゲームの発想と設定は凄く面白く、興味もひかれるものの、文章に深みがない。で、それが意図した薄さに感じられない。その軽さが若者にウケてる、ってことなのかもしれないけど。でもそんな文章力みたいなものは、これからいくらでも身につくとも言えるわけで。しかしほんとに、「リアル〜」といい、タイトル上手いなぁ。
<小学6年生の男の子3人、女の子2人が内緒で行った5人が輪になってお互いの親指を握り、バラバラ殺人事件のあった館を思い浮かべるという「親指さがし」。最後までどうしても見つからなかった親指を探す、というアイデアは前述したとおり面白いのだけれど、そもそも小学6年生にもなった男の子と女の子が仲良く手繋いで遊ぶだろうか。もうそこから私には謎なんだけど、どうっすかね?>
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「龍時02-03」
(野沢尚著 文藝春秋 \1333)
去年FIFAワールドカップの少し前に刊行され「本邦初本格サッカー小説!」と話題を呼んだ「龍時01−02」の続編。スペインの一部リーグアトランティコからベティスにレンタル移籍した若きドリブラー志野リュウジ。今回は本格的な恋愛話も盛り込まれている。で、ラスト近くで日本代表と戦うのだけれど、実在の選手名がバンバン出てきて、ドカベンのようで楽しい。次はベッカムも加入したレアル・マドリーとの戦いや、オリンピック代表となる予定もあるらしいのでそれまた期待したいところ。実際読んでても、あまりサッカの戦術が技術に関することは解りませんが、解れば良いってもんでもないので、問題なし。
<正直、前作を読んだときは、こんな話になると思ってなかった。というかですね、「サッカーを描いた」という意味では迫力あったんだけど、それだけ、という気がしないでもなかったのだ。でも今回はリュウジの想いに比重がかけられていて、その点が好みでした。 次作も読もうと思う>
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「サウンドトラック」
(古川日出男著 集英社 \1900)
「アラビアの夜の種族」で日本推理作家協会賞と日本SF大賞をW受賞した著者の最新刊。翻訳&評論家の大森望氏が、力の限り絶賛していたので、どれどれ? と思って読んでみた。面白かった! それぞれの事情から小笠原の無人島に流れつき、二人きりで育ったトウタとヒツジコが、やがて保護され2009年の東京で生きる姿を描いた物語。いやほんとか? そんな話か? どうも違うな。いやでもそうなんだけど。とにかくヒツジコだ。名前も凄いがキャラも最強。惚れたぜ乾杯! 実はアラビアの夜の種族を読んでいない私。デビュー作の「13」は読んだんだけど。反省して早速ネット書店で注文してみた。
<これはねぇ、面白いんですよ。でも面白いんだけどね、基本的に私はあまりSF系(大雑把だな)が得意ではないので、この世界の話としてどれぐらい優れているのかよくわからない。あ、でも絶対的に楽しめるので、わりと時間のとれる年末年始なんかに「何か読んでみたいなー。ガツンとした本!」と思ったら文句なくお薦めですわ>
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「ひとりぐらしも5年め」
(たかぎなおこ著 メディアファクトリー \980)
エッセイ漫画好きの血が騒ぐ「150cmライフ」の著者の第二弾。地方から上京してきて、東京暮らしをしている20代半ばくらいの女子が読むと、きゅーんとなるかも。お風呂の入り方とかスーパーでの買い物の仕方とかって、改めて人に聞く機会がなかなかないので、こういう本を読むと自分との違いが面白い。しみじみ暢気で明日も元気。平凡な毎日って愛しいよね。
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「GOGO! 美人道」
(柿崎こうこ著 双葉社 \1400)
ダイエット欲が再び燃焼中なので、ついついタイトルにひかれて購入。この手の美人本は、著者の立ち居地がキモで、今まで読んだ中ではやはり安野モヨコの「美人画報」シリーズが秀逸だった。でもこの本も、非常に等身大な感じで、良い意味で暇つぶしに最適。いやでもさ、ホント世の中の女子は常にいろんなことを考えているのね。美容に関して。これまで私はあまりにも考えなさすぎだったとつくづく思う。前後のカバー折り返しに自分仕様とプロ仕様の著者近影が載っているんだけれど、その違いにビックリ。写真って、メイクって、照明って、凄い〜!
<この表2と表3の写真はほんとに凄い。機会があったら立ち読みでもぜひ見比べて欲しい。いろんなものが信じられなくなるから(笑)>
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「まひるの月を追いかけて」
(恩田陸著文藝春秋 \1600)
腹違いの兄・研吾が、仕事で向かった奈良で消息を絶ち、行方不明になったと聞かされた静。研吾と同居していた恋人・優佳利に誘われ、静は2度しか会ったことのない優佳利と共に研吾の足跡をたどる旅に出る。しかし旅が始まって間もなく、優佳利は優佳利ではない、ということに気付き__。これはねぇ、長すぎず短すぎず、非常にフラットで恩田陸未読の人にも、とてもとっつきやすいと思う。あぁ多くを語りたい。でもまだあまりにも出たばかりなので、今は語れない。このテの話って「意外な結末が!」ということすら憚られるのだけど、うーん、早くみんな読んでくれ! 
<というわけで、もう言ってもいいだろうか。いや、この結末、みなさんどこから予測できました? 私は結構早いうちにその相手は●●では? と思ってしまい、その通りだったのでちょっと物足りず。いや奥田英朗の「真夜中のマーチ」と同じで、恩田陸も期待値上がっちゃってるからなぁ。でも、話の雰囲気は好き>
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