| 「アヒルと鴨のコインロッカー」 (伊坂幸太郎著 東京創元社\1500) | |
大学入学を機にとある町に引っ越してきた椎名。アパートの隣室に挨拶に行くと男は「カワサキ」と名乗った。その翌々日、河崎にひきずられ、モデルガンを持って書店を襲う見張りをさせられることに。なんでこんな展開に!? この河崎&椎名の現在の様子と、2年前の出来事が交互に綴られやがてあらゆる疑問が解けて今に繋がる、という仕組み。これいい! 「重力ピエロ」にあまり心惹かれなかった私としては、伊坂幸太郎はこうでなくっちゃ! という感じ。とにかくかっこいいんだ河崎。容姿端麗のスケコマシ。歩道にとめてある自転車をガンガン蹴り倒す場面。惚れた......!! 世の中の女子読みましょう。そして萌えましょう! あ、読む前にボブ・ディラン聴いておくこと。特に「風に吹かれて」。知らない人、思い出せない人は絶対聞きたくなるから! | |
<年末のベスト系を見ると「重力ピエロ」の人気高いですなぁ。でも私は断然この「アヒ鴨」を推したい! そして「陽気なギャングが地球を回す」を推したい! 伊坂孝太郎の本筋は変に切ない系ではなく、断然こっち側にあると思うんだけど。で、やっぱりこの<河崎>はねぇ。もうしびれまくりでしょう。今年一番のいい男だった! 女子諸君、萌えましょう!> | |
| <この本を買ってみようかな> | |
| 「葉桜の季節に君を想うということ」 (歌野晶午著 文藝春秋¥1857) | |
<これ、どういうわけか「本日の読書」に書いてませんでしたね。するっと書き忘れたと思われ。こういうことよくあります。「このミス」1位をはじめ、各誌ランキングでもいい位置でしたが、これはもう「そんなーーー!!」だったなぁ。見事にやられた(笑)。だってね、もう読む前から「いや久々に騙されたよ」と、いろんな人たちに聞いてたんですよ。しかもミステリー系の評論家さんたちからも! そんないわばこの世で一番「うがった」本読みの人たちすら騙されるってどういうこと!? と思い、そりゃもう疑心暗鬼で読んだのに、しかし! にもかかわらず! やはりきっちり騙された。と、これだけ言っても多分、みなさん騙されます(笑)。お楽しみに!> | |
| <この本を買ってみようかな> | |
| 「博士の愛した数式」 (小川洋子著 新潮社\1500) | |
良かった! 素晴らしかった! 博士ーっ!!(号泣)。これはもう、あちこちで書くと思うので、詳しくは書きませんが、読まないと損でしょう。私は数学は大嫌いとかいうことすらおこがましいほど数字の才能の欠片もない人間ですが、これまで自分の人生の中で興味すら抱いたことがなかった「数字」というものが、もの凄く愛しく思えた。いや、この話はやっぱり事故の後遺症で80分しか記憶がもたないという博士のキャラクターだな。素敵。惚れた。昨日、近所のコンビニの前で「柴崎コウが宣伝してる世界の真ん中で愛を叫べ(ママ)って本読んだんだけどさ、あれ面白いの?」と言っていた高校生に「これを読め!」と貸してやりたい。 | |
<「アヒ鴨」の<河崎>も萌えたけど、この博士にもかなり萌えた! もう「萌える」という言葉を躊躇いなく書いてしまえるほどに! 世界の真ん中で叫んでる人だけじゃなく、DEEP なLOVEとか、リアルな鬼ごっことか読んでる人のみならず、書いてる人にもぜひ読んで頂き、小説の持っている力というものの凄さを感じてほしい。まったくもって余計なお世話だけどさ。> | |
| <この本を買ってみようかな> | |
| 「愛がなんだ」 (角田光代著 メディアファクトリー\1500) | |
28歳にして仕事も女友達も「どうでもいい」と言い放ち、エビみたいに冴えない男メマモちゃんモ命で恋愛道を突き進むテルコの物語。希に見る恋愛バカ女の話で、ほんと読んでると「おまえなー...」と説教したくてウズウズしてしまう。が、しかし。本来恋愛ってこういうもんじゃなかったっけ? 人を好きになるってそれぐらいパワーいることじゃなかったっけ? バカって言ったほうがバカなんだよ、って子供のころ教わらなかったっけ? と次第にもう一人の自分が分別あり気にテルコを見下す自分を責める。面白いっす。 | |
<今年は「空中庭園」が直木賞候補にもなりましたね。これはね、読んだときはほんとにもうバカじゃないかと思った。テルコよ、そんなことで良いのかと。マモちゃんだけが人生なのかと。仕事しろよと。老後はどうするんだと。友達もいないんじゃどうしようもないだろうと。でもこれが、読んで月日が経つとジワジワと「……でもテルコ、ウラヤマちぃ」と思ったりするんですよ! 恐ろしいことに!恋愛体質じゃない人(私だ)にこそ、読んでほしいもの。角田光代は文庫もたくさん出てて、読みがいあるですよー。> | |
| <この本を買ってみようかな> | |
| 「永遠の出口」 (森絵都著 集英社\1400) | |
「カラフル」「DIVE!!」などで知られる児童文学界の旗手・森絵都の、出ました初の一般向け小説。主人公の少女・紀子の小学4年生から高校卒業までを1年1章形式、9つの物語で描いている。正直、小学校時代の話は巧いことは巧いもののありがち感もあり、「この辺りの話を書かせるともっと巧い作家はいくらでもいるしなぁ。もうみんなそれを知ってるしなぁ。ちょっと辛いか?」と思いつつ読んだのけれど、中学生以降のエピソードはさすがの連続。もうニクイねーこのこのー!ってな感じである。気恥ずかしくなるような青さを、ちゃんとさじ加減を整えて書いているのがよく解る。つまり、もう身悶えしたくなるほどガッチリメ青春モなのに、作者が青いまま書いてるのではないので、安心して読める。 | |
<いや良かったですね。個人的には今年上半期のベスト3に入ったと思う。ちらっと書いてる「著者が青いまま書いてるわけじゃない」というのは私にとって凄く大事で、どんな熱い小説でも、客観性がないと嫌なのだ。その点、これはベタなのにベタベタではなく、懐かしいなぁと思わせつつも「昔は良かった!号泣!」というテイストではないところが好き。読み終えたあと、久しぶりに高校に行きたくなった。毎日歩いていた通学路を歩いてみたくなるような小説。> | |
| <この本を買ってみようかな> | |
| 「かび」 (山本甲士著 小学館\1700) | |
ひーっ!こわこわこわっ! 夫が仕事中に脳梗塞で倒れた専業主婦の主人公が、理不尽な態度をとる会社に復讐を企てる話なのだけれど、いやーもうあまりにも1つ1つのエピソードが「現実味」がありすぎて、ありすぎて。<中略>この話、舞台は大阪なのだけれど、大阪の女の人ってほんとにこんなに直接的なものの言い方するんだろうか。で、何がこんなにコワイかっていうと、この主人公、本当に愚かだと思うんだけど、その日常のイライラは、ものすごーくよくわかってしまうのだ。ある意味禁断の書かも。ひー。 | |
<山本甲士は96年に横溝賞の優秀賞を取ってデビューしているんだけど、最近はいわゆるノベルズのちょっとオヤジーな小説を書いていて、もう全然好みとかそういう範疇にもなかった(失礼)んだけど。これと「どろ」「あかん」の小学館ひらがなタイトルシリーズにはやられた! 隣の家の住人がむかつくとか、ダンナがマザコンでむかつくとか、子供が言うこときなかなくてむかつくとか、会社がアホでむかつくとか、とにかく日常にむかついている人にオススメ。すかっとするですよー。> | |
| <この本を買ってみようかな> | |
| 「希望」 (永井するみ著 文藝春秋\2400) | |
東京と千葉で、老女3人が連続して殺される事件が発生。死体には「大変よくできました」というハンコが押されていた。やがて捕まった犯人は14歳の中学生だった。当然、顔写真や氏名は公表されなかったがネットで流出。その整った顔立ちと「計画を立てきちんと実行するプロセスを楽しみたかった」「狙いやすい子供ではなく年寄りをターゲットにしたのは、その人の生命価値を数値化したら明らかにお年寄りより子供のほうが高くなるから」といった理知的とも思える言葉が人気を呼び、犯人の少年にはファンクラブまで出来た。それから5年。少年院を出てきた少年は、もう「少年」ではなく、美しい青年に成長していた。その息子をもてあます母親、カウンセラーと旧知の雑誌記者、被害者の孫たち、当時の事件を担当した刑事などを巻き込んで、新たな事件の幕が開く__いろいろ思うことはあるけれど、大筋では凄く面白いっ! 東野圭吾の「手紙」+真保裕一「繋がれた明日」+乃南アサ「風紋」「晩鐘」の4冊を3で割った感じ。これがせめて1800円ぐらいで売れるといいのになぁと思う。でも文句なしの、今回のお奨めNO1! | |
<滑り込み、つい最近刊行された新刊です。永井するみは前作「唇のあとに続くすべてのこと」が惜しい! もう2つぐらい! という感じだったんだけど、これは「もう1つ!」ぐらいまで来た!という印象。女性作家で何か新しい人を読んでみたい、ブレイクしそうな作家を今のうちに読んでおきたい、という人はぜひ。ちょっとお高いけど、2段組で分厚いので、年末年始の間楽しめると思う。> | |
| <この本を買ってみようかな> | |
| 「火の粉」 (雫井脩介著 幻冬舎\1600) | |
元検事で現在大学で教鞭をとる主人公が、退官後購入した郊外にある一戸建て住宅。その空家だった隣家に一人の男が引っ越してきて__という話。いやいや久々に「こわーっ!」だった。興奮してガースに面白かったー!という電話までしてしまった。いろいろ細かいところはもう少し、という部分もあるけど、それも面白かったがゆえに気になる話。すんごいイイヒトなのよ、隣人の男。でもすんごい気味悪いのよ、たまらん。どこかでちゃんと書く予定。オススメ。 | |
<雫井脩介は今年というわけじゃなく、一昨年ぐらいから注目している作家。まだ著書は文庫になっている「栄光一途」と、「白銀を踏み荒らせ」「虚貌」そしてこの「火の粉」だけなので、今のうちなら全作読んでおくのも可能。でもって、全作読んでおいても損はない作家だと思う。何しろデビューは新潮ミステリー倶楽部賞なんだけど、彼が受賞した前年の受賞者は戸梶圭太。翌年は伊坂幸太郎(ちなみに戸梶圭太の2年前は永井するみ)。二人の活躍を見れば、その間に受賞した雫井脩介が面白くないわけがない! いやほんとに。> | |
| <この本を買ってみようかな> | |
| 「ワイルドソウル」 (垣根涼介著 幻冬舎\1900) | |
2000年「午前三時のルースター」でサントリーミステリー大賞&読者賞をW受賞しデビューした垣根涼介。個人的に、一昨年の「ヒートアイランド」で「おおっ!」と思っていたので、待ってましたの新刊だ。大筋は、嘘八百の夢物語につられて、辛酸を舐めつくしたブラジル移民とその二世が、40数年の時を経て日本政府に復讐を企てる、という話。話が話なだけに、その時代背景や登場人物たちの生い立ちが細かく描かれていて、前半流れに乗るまではやや苦労する人もいるかもしれないけれど、中盤以降の展開はスピーディーで途中で止められなくなってしまった。かなり面白かったし、結末にも大満足。ただ1点、紅一点の貴子の口調が今ひとつ馴染めず。「このぅ、と思う」の「ぅ」とか、「なんだっ。こんなもの!」の「っ」とか、「構うもんかっ」の「っ」とかが。言葉使いも「元女子アナ」って感じがしない。いやでもそれも最後にはなんだか納得してしまうんだけど。 | |
<この人も今年というわけじゃなくて、ずっと注目しているんだけど、この作品はまた良かった。貴子の口調については今もやや納得いかないが(笑)、でもよみごたえあって面白い。こちらもまだ著書はサンミス大賞の「午前3時のルースター」と、石田衣良テイスティな「ヒートアイランド」と本書の3冊なので、新規開拓希望の人はお試しを!> | |
| <この本を買ってみようかな> | |
| 「黒冷水」 (羽田圭介著 河出書房新社\1300) | |
今年3作同時受賞となったの文藝賞受賞作その2。著者は17歳の現役高校生ということで、ま、正直、話題作り的要素もあるかなぁと思っていたわけですよ。もちろん、それが悪いってことじゃなく、売れるものは売りましょうというのは新人賞のあり方として間違ってないと思うし。でもいやしかし。上手いじゃないですかー! 高校生の兄の部屋をあさり続ける中学生の弟と、その弟の行為を見抜き愚鈍な弟を小馬鹿にしている兄。二人の憎悪が行き着く先は__という話なのだけれど、いやいやこの兄ちゃん、私は結構好きなんだけど、すんごい卑劣といえば卑劣で、意見がわかれそう。ラスト近くの展開もこれまた賛否両論ありそう。でも、いずれにしても読んで損なし。いやこの「どう思う?」って話をする価値がある、というだけで凄い。ほんとに。 | |
<これデビュー作なんでブレイクというのとはちょっと違うけど、いやほんとに上手くてびっくりよ。今思い出してもほんと、今年の新人作の中でも3本の指に入るし、上手さ云々ではなく衝撃とか好みでいえばピカ一。なんていうか、はなはだ怪しいものだけど、この人、作家としてのセンスがあると思う。> | |
| <この本を買ってみようかな> | |
| 「デッドエンドの思い出」 (よしもとばなな著 文藝春秋\1143) | |
人の心の中に小さな火を灯す忘れえぬ出来事、思い出を描いた5つの短編集。良かったー。私は決してばななフリークではないのだけれど、最近の彼女の書くものは何だかとってもぐっと来る。これは詳しくどこかで書きたいでございます。お薦め。 | |
<よ、よしもとばなな!? なんて思っているそこのあなた。いやほんとにさ、正直、私も自分で自分に思ったですよ。よしもとばななかよ! って。いやでもね、凄いこれはずどん、とすとん、と、来たですよ。今のところ「吉本」改め「よしもと」になってからのばなな小説にはずれはないな。へこみがちな1年で、来年こそは! と思っている人にお勧め。元気出るっす。> | |
| <この本を買ってみようかな> | |
| 「繋がれた明日」 (真保裕一著 朝日新聞社\1700) | |
自分の彼女に手を出すな。バイト先で注意を受けむしゃくしゃしていた夜、隆太は自分の付き合っている女に誘いをかけてきていた男に向かって言った。男の嘲笑と喧嘩の誘惑。いきなり殴られ、ちっぽけなプライドをずたずたにされた隆太は持っていたナイフで相手を刺した__。19歳で殺人を犯した主人公・隆太は、少年刑務所で6年1ヶ月を過し仮釈放される。しかし地道に働き始めた隆太の周囲で悪意の火種が静かに燃え広がり始める。殺すつもりはなかったのに、相手にだって非があるのに「殺人」という罪を犯してしまった主人公の心の葛藤が印象的。最近の2冊(「発火点」「誘拐の果実」)が個人的にはイマイチだったので、これは久々に満足。あの ちょっと優等生的ではあるけど、それまた真保節ってことで。 | |
<真保作品の中では久々に(失礼)ガッチリ来たなぁ!という印象で、凄く好みだったんだけど、どうも一般的な評価はさほど高くなかったようで残念。好みでいえば東野圭吾の「手紙」より、この方が断然好き。> | |
| <この本を買ってみようかな> | |
| 「疾走」 (重松清著 角川書店\1800) | |
うひー! やられたやられたもう参りました。昨年「流星ワゴン」が「たまらん!泣ける!」と大評判になったものの、正直泣きモードが苦手な私は個人的には「こんなのずるい!」という子供のような気持ちになって、モヤモヤ感が残ったりもした。でもこれは......これはたまらん! 腕のいい大工の父と、優しい母、成績優秀な兄をもつ少年の穏やかな暮らしが徐々に歪み、狂っていく長編作なのだけれど、凄すぎる。まさか重松清がアナルセックスを書くなんて。いやそんなことはほんの一部分でしかないのだけれど。まだ進化するのか。どこへ行くのか。 | |
<「重松清がアナルセックスを書くなんて!」と書いて「ネタバレだ!」と言われました(笑)。どんなネタやねん。いやもうね、そんなことはどうってことないエピソードの1つでしかないのよ。こんな話を何も重松清が書かなくても、という話もありましたが、私はこんな話を重松清が書くからこそ面白いと思った。いやほんとにねぇ。> | |
| <この本を買ってみようかな> | |
| 「ツ、イ、ラ、ク」 (姫野カオルコ著 角川書店\1800) | |
「ヒトが集まるところ、常にグループができる。身長で。成績で。住所で。性別で。群れなすヒトの社交によってグループ分けされたものがサロンである。別名、村。サロンは小学校から会社まで五大都市から長命市まで、学生から役人からサラリーマンから自由業者まで、変わりはない。社会というサロンがあり、その中に学校というサロンがあり、その中にクラスというサロンがある」__。人口4万人、長命市の小学校から中学へと続くサロンに集う子供たちを描きつつ、その中で一人の少女がメ落ちたモ恋。姫野カオルコ久々の恋愛長編作なのだけれど、良かったなぁ。子供の恋愛メなんてモと思うなかれ。今回のイチオシ | |
<桐野夏生の「グロテスク」の女子高描写が上手い!と絶賛されたけど、いやいやもうね、この姫野カオルコの小・中学生の世界描写ときたら! 上手いというよりもリアルすぎて苦しくなったですよ。ま、最終的な結末には賛否両論あるだろうけど、恋とはほんと「落ちる」ものなのよねぇとつくづく。> | |
| <この本を買ってみようかな> | |
| 「クライマーズ・ハイ」 (横山秀夫著 文藝春秋\1571) | |
1985年夏に起きた、日航機の御巣鷹山墜落事故。地元・北関東新聞の記者・悠木は、この前代未聞の大事故の全権デスクを命じられた。それぞれの事情とそれぞれの思いを抱えた男たちが翻弄された1週間を描いた長編作。これはもう、40歳以上ぐらいの男性は読んだら頭抱えそうだ。あまりにいろんなことを考えさせられすぎて。凄いわ、ほんと。こんなこと言ったらなんだけど、直木賞、やっぱりいりませんか? と聞きたくなる。私が決められるなら、とてもじゃないけど無視できない。みなさん読みましょう。ぜひ。 | |
<今年も結構な数の新刊が出た横山秀夫。全部読んだけど個人的にはこれと「第三の時効」「真相」が良かった。1985年の話にしても、まぁしかし、新聞社ってほんとオヤジ社会なのねぇと妙に関心したり。警察小説じゃないというだけでも、ある意味新鮮だったなー。> | |
| <この本を買ってみようかな> | |
| 「負け犬の遠吠え」 (酒井順子 講談社\1400) | |
さぁて出ましたっ!今年度、フジタのエッセイ部門NO1作品!! もう本を読んでこんなに大声出して笑ったのは久しぶりだ。鋭く、容赦なく、世の中に急増中の高齢独身女性の本音を明かしまくり。ほらそこの歌舞伎や着物やフラメンコにはまりかけてる独身女子! アリーやセックス・アンド・ザ・シティ好きな女子! もうこれ、やばいほど腹痛いですよ。30歳以上で独身である女性のみなさーん! 買いましょう! 読みましょう! 笑いましょう! そして自分を知りましょう。「女性誌というのは、読みすぎるとバカになりますが、読まなさすぎるとブスになるのです」など名言多し。もう腰抜けるっちゅーねんマジで。あ、男子禁制でひとつお願いします。 | |
<まぁこれはもう語ることはないな(笑)。ここ「だらしな書店」でも凄く売れました。局地的ベストセラーでございます! > | |
| <この本を買ってみようかな> | |
| 「新宿二丁目のほがらなかな人々」 (新宿二丁目のほがらかな人々著 角川書店\1900) | |
新宿二丁目の「おネエさま」3人が、恋やファッション、人生について語る「ほぼ日」の人気サイト単行本化。っていっても、私はWebは読んだ事がなかったのだけれど、これすっごく面白かった!いやもうほんと、久々に「あーん、もっと読みたい〜!」と思った鼎談集。「股開く前に、心を開きなさい、と思うよね。こっちなんか開こうにも股がないんだから!」とかいういい言葉が沢山あって、しかも生き方そのものにもピシッと活を入れられる感じ。なのに説教臭くなく、押し付けがましくもない。で、これ恐らく編集もきっちり入ってるんだと思うけど、言葉のテンポが凄く良くて、ぐんぐん読まされてしまう。正直、読む前にはもっとおざなりな本なんだろうなと思ってた。失礼しました。お薦め! | |
<今年はいわゆる「オネエ系」のタレントも沢山ブレイクしましたが、その面白要素を凝縮した感じ。多分かなり「負け犬」要素入ってる(笑)。そこがステキ。> | |
| <この本を買ってみようかな> | |
| 「情熱チャンジャリータ」 (ゲッツ板谷著 双葉社¥1200) | |
本一のバカ大将、ゲッツ板谷の爆裂最新エッセイ。出だしから「ドイツ鯉の思い出」である。もうね、これがすんごい思い出なわけですよ。要約すると、ひとりHのオリジナル技を次々に開発中だった若き日のゲッツ氏が、ドイツ鯉を手に入れ、ムラムラと......という話。でもねぇ、ドイツ鯉はここで今みなさんがムラムラ解消法として思い浮かべてしまったような用途では使われないのです。そりゃもう素人には想像もできない使われ方をするわけです。拍手! | |
<今年上半期のキング・オブ・バカ! これを読んでしまったばっかりに、昔から嫌いだった鯉がますます嫌いになりました(笑)。そんなにネタが続くわけもなく、徐々にキツイ感じになってきてはいるゲッツさんですが、これはほんとに面白い。普通に生きていることがとてつもない幸せに感じられるはず。> | |
| <この本を買ってみようかな> | |
| 「野球の王国」 (奥田英朗著 光文社\1400) | |
これはねぇ、すーーっごく良かった!「邪魔」「イン・ザ・プール」「マドンナ」と直木賞候補にも3回なっている作家・奥田英朗が、東北から沖縄、そして台湾までプロ野球を追いかけて旅するエッセイ。ペナントレースに限らず、キャンプや2軍の試合、OBたちのマスターズリーグまで「目的」が違うのも飽きさせないし、何より語りの口調が絶妙。メ男一人旅モというイメージとはかけはなれた情けなーい、気弱〜な言動が笑いを誘い、それでいて地方球場の様子などは読んで想像するだけで胸が熱くなる描写が次々と出てくるのでたまらない。 | |
<こちらはいわゆるバカ系本ではないけれど、読んで良かったエッセイの1つ。NHKの「週刊ブックレビュー」に出たときもこれを紹介しました。私は女子一般に比べれば野球知識はあるほうだと思うけど、今のプロ野球が好きというわけではない。でも、これ読んでたらまた野球観に行きたくなったですよ。旅本としても良質だし、例えば年末年始に田舎に帰省する、というような人にもオススメ!> | |
| <この本を買ってみようかな> | |
| 「どんなピンチも切り抜けられる言い訳オンパレード 誰も傷つけずに「いい人」になる技術」 (ジャンヌ・マルティネ著 佐藤志緒訳 KKベストセラーズ\1300) | |
タイトルを見て、いわゆるダメ人間(オレだ)がどうやって言い逃れるか、という本かと思いきや、非常に正しい「言い訳」の本だった。「あなたの話つまんないんだよねー」とか「別に予定はないけど、あなたと出かけるのは気が進まない」とか、「あー、さっさと帰ってのんびりしてぇ!」というようなとき、どう「言い訳」すれば誰も傷つけずにスムーズにことが運ぶか、という内容。既に無意識に実践してることもわりとあったけど、まだまだ「使える」ネタ満載。但し、この本がベストセラーにならないうちのみ有効。 | |
<言いたいことが言えず、心の中を日々モヤらしているあなた。ぜひ読みましょう。まだ有効です。早いもの勝ちです(笑)> | |
| <この本を買ってみようかな> | |
| 「姉飼」 (遠藤徹著 角川書店\1200) | |
2年ごとにしか大賞受賞作の出ない日本ホラー小説大賞、今年度の大賞受賞作。ホラー大賞には短編、長編部門があるのだけれど、これまで短編で大賞を受賞したのは岩井志麻子の『ぼっけえ、きょうてえ』だけ。で、本書が以来初の短編大賞作! ということで期待して読んだ。で、これが凄いんだけど、期待して読んだのに期待以上だったのだ! 本書には受賞作以外にも3話収録されているのだけれど、ちょっと言葉にし難い魅力、というか魔力がある。そもそもあなた「姉飼」ってタイトルだけでもやばいっしょ。で、買う&飼うのよ「姉」を。串に刺さってんのよ、姉。ギャー! ってなもんだわよ。違う人格のりうつっちゃうよ私も! 必読! | |
<怖いもの平気な人はとりあえず読んでおけ!と言い切りたい短編集。全然作風は違うけど、どこか森博嗣に通じる何かを感じるですよ。> | |
| <この本を買ってみようかな> | |
| 「生誕祭」 (馳星周著 文藝春秋(上)\1700(下)\1600) | |
初めて人が死なない馳星周の初の青春小説が初の上下巻で登場。バブル期の話なので、懐かしさ満点。主人公が勤めていた「宮殿」ディスコでクリスマスパーティーとかふざけたことをやっていた若き日のオレたち。ぐわー、恥ずかしさに身悶えるっちゅーねん。物語は、そんな浮ついた時代に、ディスコの黒服から地上げ屋見習となり、大金を動かす魅力にとりつかれた主人公が、人を騙し、陥れ、裏切られ、それでも上へ上へと登ろうと足掻き続け、足下をすくわれる長いようでほんの短い間の狂騒を描く。青春小説とはいえ、甘酸っぱくて切なくて、なんて優しい話ではなく、ヒリヒリするような痛みとジリジリした熱が伝わってきて、夢中で読んでしまった。これ、バブル期の記憶がある人は、ちょっと痛いかも。いやもう今となっては着ろ!と言われてもボディコンなんて着れないわけですが。 | |
<懐かしいの一点突破でオススメ。久しぶりに純粋に馳星周の作品を楽しめたし。バブルを知らない世代の人は「ほんとにこんな浮ついてたんだ!」と驚いてほしい(笑)。> | |
| <上巻を買ってみようかな> <下巻を買ってみようかな> | |
| 「PAY DAY!!!」 (山田詠美著 新潮社\1500) | |
あの名作「ぼくは勉強ができない」から10年、実に8年ぶりの書き下ろしになる山田詠美の青春小説。今回の主人公はアフリカ系アメリカ人&イタリア系アメリカ人の両親をもつ双子の兄妹・ハーモニー&ロビン。両親の離婚でマンハッタンとロックフォートに離れて暮らすことになった二人。しかしあの9月11日がやってきて__。主人公の二人のみならず、彼らの周囲の人々の個性が光まくっている。みんな切なくて、苦しくて、やりきれない思いを誰もが抱えて、だけど誰かを愛して家族を愛して、生きていく。このタイトルの使い方も、さすが! | |
<派手さはないけど、しみじみ良かったですよほんとに。多分、山田詠美もよしもとばななや江國香織同様、読まない人にとっては「今更」感がある思うんだけど、これはそんな人にもオススメ。> | |
| <この本を買ってみようかな> | |
| 「ボロボロになった人へ」 (リリーフランキー著 幻冬舎\1400) | |
凄い。凄い凄い凄い。なんなのこれっ! 凄すぎる! 笑ってあきれてくだらないのに、凄く真摯で誠実で感動できる短編集。いやもうちょっと凄すぎて言葉が出ない。あぁこういう小説に出会えるから本を読むのはやめられないのだ!とため息つきまくり。世の中には素晴らしいけどまぁ読む必要はないな、という小説もあるけれど、これは一見くだらないけど、絶対読むべき小説だと思う。実際に読むと全然くだらなくもないし。むしろ神!誉めすぎ?いえいえ本気です。 | |
<おおっと、これも上半期にかなり大きな衝撃を受けた作品。だってリリーだよ? 巧くはないけど、凄いのよ!> | |
| <この本を買ってみようかな> | |
| 「鎮火報」 (日明恩著 講談社\1800) | |
去年、無口で硬派な巡査部長と、警視庁一の軟弱お坊ちゃま警部補のコンビが活躍する「それでも警官は微笑う」でメフィスト賞を受賞しデビューした著者の第2作。今回は警察小説ではなく「消防小説」。主人公は消防に命かけます!系ではなく、さっさと事務職になって地方公務員の給料と社会的保障と福利厚生、ゆくゆくは恩給までがっちり貰いたい!と考えている新米消防士の成長物語。と簡単にまとめられるほど簡単な話でもなく、じっくり読ませてくれてなかなか。ただしこの著者は書き込んで書き込んで行くタイプなので、気の短い人には辛いかも。 | |
<これもまったくの個人的趣味で、私はこの著者が書く男子キャラが好きなのだ。決してキャラ萌え系ではないんだけど、勝手に萌えているという意味で。> | |
| <この本を買ってみようかな> | |